上司をストレスに感じる部下の割合は
どれくらいでしょうか
厚労省が労働者向けのストレスチェックのために行っている調査である「労働安全衛生調査」にて示された58.3%という数字。
これは、現在の自分の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合です。無作為に選ばれた約1万8000人のうち9697人の有効回答数より導き出された数字です。
ストレスとなっていると感じている事柄(主なもの3つ以内)の第一位は「仕事の質・量」が 62.6%とダントツの一位です。
続いて、第二位パワハラ・セクハラを含む対人関係が30.6%、第三位仕事の失敗、責任の発生等34.8%となっています。
役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等)や会社の将来性については23%とランクインしています。
さて、あなたの会社に対するストレス、とりわけ上司に対するストレスはどの項目に該当するでしょうか。
上司や先輩、同僚からの「悪意」に対してあなたはどう対応したいのかを考える。
➡是正し、今の環境で働き続ける
➡離れて、別の環境で働く
どちらも正しく、どちらも間違いではないことを知る。
心の健康という言葉により近い環境はどんな場所なのかを把握する
上司が意識的にあなたを潰してくる場合
- 退職の意思のないことを表明しているにもかかわらず、執拗に退職を求められた。
恐怖感を抱かせる方法を用いて退職勧奨された。 - 部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた。
同僚等による多人数が結託しての人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた。 - 経営に影響するようなノルマ(達成できなかったことにより倒産を招きかねないもの、大幅な業績悪化につながるもの、会社の信用を著しく傷つけるもの等)が達成できず、そのため、事後対応に多大な労力を費した(懲戒処分、降格、左遷、賠償責任の追及等重いペナルティを課された等を含む)
- 「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミス」とまでは言えないが、その事後対応に多大な労力を費した(懲戒処分、降格、月給額を超える賠償責任の追及等重いペナルティを課された、職場の人間関係が著しく悪化した等を含む)
いや…働いていたらこんなことばっかじゃん。
実は、この上記の項目は仕事によるストレス (業務による心理的負荷)が関係した精神障害についての労災請求が増えた背景をもとに厚労省で定められた「心理的負荷による精神障害の認定基準」(以下「認定基準」といいます)の中でも「強」に認定されている項目です。この基準に基づいて労災認定を行うことになっています。
認定基準においては①認定基準の精神疾患なのか②発病前おおむね6か月の間に起きた業務による出来事について、「業務による心理的負荷評価表」により「強」と評価さ
れる場合なのかなどを参考にして労災認定を決めるのですが、上記の項目は「弱」「中」「強」の中でも最大にストレスがかかっている状況を表す「強」に該当する項目ばかりです。
これが常態化している状況というのはつまりストレスが過大にかかっており、精神的に参ってしまっても仕方がない状況ということです。しかも厚労省(国)が決めた基準ですので会社や上司、同僚が「こんなくらいで…」とバカにしても関係ありません。
あなたが強くストレスを感じている環境にいることをまずは認識してください。それは、あなたがメンタル不調に陥ってしまうことを防ぐためです。
上司が無意識にあなたを潰してくる場合
こちらの本を参考にしました。クラッシャー上司というタイトルに引き寄せられた方、相当過酷な環境で働いていることとお察しします。
中でもクラッシャー上司について
呆れた鈍感上司。他者への共感性が足りない、あるいは欠如している。鈍感だから部下へのマネジメントができず、モラハラで潰してしまう。
滅私奉公の価値観に加え、ソトには礼儀正しく弱さを見せず、しかしウチには「黙して語らず空気を読め」といった無配慮、「会社のために働いている者の苦労を慮れ」と一心同体を強要する精神構造が働いている。
その結果として部下には極めて無配慮に過重労働を強要し「俺がいじめていないことは分かっているはずだ。どんなに厳しくしても、これは愛の鞭だと理解しているよな」という大きな誤解、「甘え」の構造に胡坐をかく。
参考:クラッシャー上司
この説明に「課長だわ…」や「●●先輩だわ…」と心がざわつく人が多いのではないでしょうか。
クラッシャー上司の精神構造や家族背景にまで切り込んだ本書は読みすすめているうちに課長でも部長でもなく、1人の人としての精神的な甘えと確固たる全能感に浸りきっている大人の殻をかぶった赤ちゃんであることが分かります。
上司と合わない時どうすればいいのか
愛の鞭だと分かっているだろう?!
クラッシャー上司 は赤ちゃんのようなものだと本書でも話があります。上司がネチネチと2時間、3時間と部下を執拗に問いただす場面でのクラッシャー上司の状況について下記のように記されています。
自分の中にある「こいつ、ちゃんと仕事をやれなかった、上からの俺への評価が下がるじゃないか」というイライラを晴らしたいからである。
これは精神分析でいうところの「退行」だ。困ったことがあると「ギャーッ」と泣く、赤ちゃん返りと言っていい。
赤ん坊は「ギャーッ」と泣く。そうすると全部、母親が解決してくれ、快適になる。喚きさえすれば、すべてが手に入る。と考える「感覚」を、精神分析では「幼児的全能感」と呼ぶ。
おじさんが怒鳴りまくるのと、赤ちゃんが喚くのは本質的に似ている。
参考:クラッシャー上司
つまり、赤ちゃんと同じような精神状況であることが精神科医でもある著者の見解です。
私はこれを読んでから、そういった上司や先輩、精神的に未熟な社会人をバブリーマンと心の中で認定しています。笑
となると、このバブリーマンと真向勝負をしても無意味なのはお気づきだと思います。
赤ちゃんが騒いでいるのと一緒だもん。
この新聞紙だって今に口の中に入れてまずくて吐き出して泣くよ~。
メンタルヘルスケアは実践してこそ価値がある
メンタルヘルス。すなわち「心の健康」です。
心が健康とはいったいどのような状況でしょうか?お酒が好きな人が毎日お酒を飲む、ギャンブルがストレス発散の人がギャンブルをする。タバコが好きな人がタバコでイライラを抑える…。好きなアイドルがいてSNSやYouTubeで心をときめかせる。お寿司が好きな人がお寿司ばかりを食べるのは?お肉だとダメなの?ジャンクフードは?!
こころの健康とは、いきいきと自分らしく生きるための重要な条件である。
具体的には、自分の感情に気づいて表現できること(情緒的健康)
状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができること(知的健康)
他人や社会と建設的でよい関係を築けること(社会的健康)を意味している。人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択すること(人間的健康)も大切な要素であり、こころの健康は「生活の質」に大きく影響するものである。
こころの健康には、個人の資質や能力の他に、身体状況、社会経済状況、住居や職場の環境、対人関係など、多くの要因が影響し、なかでも、身体の状態とこころは相互に強く関係している。
心身症という名称があるように、以前から、ある種の疾病の発症や進展に心理的な要因が影響することことが知られており、最近ではこの関係が実証されてきている。例えば、ストレスが多いと風邪などの感染症にかかりやすくなること、心臓病などの病気にかかりやすい性格や行動があること、などが有名である。
参考:休養・心の健康│厚労省
身体状況が悪化するほどの嗜好は心の健康とはいえません。健康にはさまざまな種類がリンクされていることが分かりますね。
抽象的な概念である「健康」について、今あなたはどの部分の健康が侵害されているでしょうか。
行動科学的に証明されているセルフメンタルヘルスケアの実践の4ヶ条
- 達成可能な目標をたてる
- 自分の行動や考えを観察、記録する
- 望ましい行動を強化する
- 望ましい行動をみちびくように環境を整える
参考:休養・心の健康│厚労省
分かってるよ~涙
それができるならこんなに悩んでないよ~涙
そんな声が聞こえてきます。私もそう思うからです。
この「達成可能な目標」や‘「望ましい行動」を強化したり、環境を整えることが難しい。そしてメンタル不全に陥ると「自分の考え」が全く見えなくなります。自分自身がどうすればいいのか、判断ができなくなる状況です。
では、ここからは私が考えたスモールステップで考えてみましょう。
退職代行、退職いつまで…調べたことのある人は多い
退職したいのに退職できない時、誰に相談しますか?同僚や家族、恋人や友人に相談する方が多いと思いますが、本当に苦しい時は自分1人の戦いになってしまいます。
退職代行サービスは悪ではありません。退職代行は今や労働者の味方として位置づけられてきています。
たとえば…
退職代行サービスのNEXT
- 弁護士対応の徹底
- 有給消化
- 残業代未払い解消
- 会社に出向く必要なし
というサービスも実際あります。それほど退職には気力も体力も使い果たしてしまうということです。
退職する前にもう少し頑張りたい…
ローンもある、子どももいる…
一旦踏みとどまる時、心の中で天秤をかけますよね。「良くも悪くも慣れた場所にいるのか」それとも「新天地で頑張るのか」。大半の方は前者の留まるを選びます。
これは先ほど述べた行動科学的に証明されているセルフメンタルヘルスケアの実践の4ヶ条と照らし合わすと、どれも該当していないことになります。
特に望ましい行動を心がける、望ましい行動をみちびくように環境を整えるが現在の職場では感じないから退職せざるを得ないほどメンタルが病んでしまう方もいます。
目指すは、メンタルを病まずに退職することです。
もしくはメンタルを病まずに働き続けることです。
なぜならば、退職後も生活は続くからです。生きていくために行動をし続けなければいけないからです。これは自分で仕事をすることばかりではなく、生きるために衣食住を最低限維持させなければいけないということです。
家族がいれば、なおのことメンタルを病んでしまっては元も子もないですよね。
避けるべきは、メンタルを病むことをまず出発点にしてみませんか。
それが、スモールステップの1つめになります。
退職までにできることは引き継ぎよりも自身のメンタル維持
上司が嫌いで辞めたい気持ちを一度整理することも大切です
好き嫌いで仕事はしてはいけないと一般的に言われています。
ソリが合う、合わないと何が違うのでしょうか。仕事における対人関係の中でソリが合う(波長が合う、話題が合う、居心地がいい)と、ソリが合わない(波長が合わない、話題にズレがある、そわそわする)はあります。
そこに好きや嫌いという感情を入れ込んでしまうと、対人関係は複雑になってしまいます。
例えば、趣味は合わないけど一目を置いている先輩や話しは合うけど仕事はちょっとやり方が違って違和感のある同僚も実はいるのではないでしょうか。
嫌いという理由の中にすべてが自分自身の価値観と合わないからとなってしまうと対人関係における悩みは尽きないでしょう。
できることは、パワハラやセクハラなど目に見える相手からの悪意に対して自分がどう対処するか。
悪意に対して、あなたはそれを是正させたいのか。それとも悪意から離れたいのか。
この気持ちをまず自分に問いかけてみましょう。
上司や先輩、同僚からの「悪意」に対してあなたはどう対応したいのかを考える。
➡是正し、今の環境で働き続ける
➡離れて、別の環境で働く
どちらも正しく、どちらも間違いではないことを知る。
心の健康という言葉により近い環境はどんな場所なのかを把握する。
メンタルヘルスとは、心が病んでから実践するものではありません。心が病む前にきちんと心の健康に着目しておく習慣を身に着けることで、あなたがメンタル不全に陥らないための心の指針になります。
ぜひ、実践していきましょう。
読んでくださりありがとうございました
あーむ(@anncolomochi_am)でした